懸垂下降 修行中です

憧れの岩稜がある。日本三大岩稜と呼ばれる稜線だ。有名な谷川岳の一ノ倉や穂高岳の滝谷のような岩壁ではない。垂直の壁にへばり付いて登るわけではないが、岩稜といえども手足を使って4WD登降しなくてはならない。人間、意外と登りは何とかなるが、下降は難しい。登るときと同じ姿勢で、手足を使って下りる。これをクライムダウンという


手掛かり、足掛かりがあれば、短い稜線や壁はなんとかクライムダウンできるが、それでも大変なリスクを伴う。そこでロープを使って、ビレイ・デバイスという道具で安全確保をしながら下りることになる。消防隊員や窓ふきのプロがビルの壁をスルスルと下りたり、自衛隊員がヘリコプターからロープで下りたりするのと同じ「懸垂下降」という技術だ


三大岩稜のうち、2つはクライムダウンで難所を凌いできたが、残る一つは長く険しい下りがあり、ちょっと無理。50mロープにハーネス、カラビナ、ビレイデバイスなどの道具を担いでいく必要がある。というわけで、2年前に秩父での講習会に参加して基礎技術を習得した。あとは実戦で使えるよう訓練あるのみ


なかなか練習場所がないので、勤務先の建物の外に設置されている非常階段を使ったりしてひそかに練習してきたが、会社を辞めてしまったので練習場所を失った。どうしようか思案していると、何と実家の近くに格好の練習場があることを最近知った。灯台下暗し、全く迂闊だった。早速出かけてみた

こんな岩壁が3か所ほどある。この写真の岩壁は、さらに上に続いていて、そこそこの長さがある。懸垂下降は、下りてきたあとロープを下で回収できるように、2つ折りにして上部の支点に通して使う。下までおりたら、片方のロープを手繰り寄せてロープを回収し、そこで新たな支点を作って、下降を繰り返す。50mロープの場合、実質的に下りられるのは25m弱だ。この岩壁は最上部から3回(3ピッチ)で下りてくる

フリークライミングの練習をする人。この方はソロでの練習なので、万一の落下に備えて、ロープをルート上に設置しておき、ブレーキがかかるデバイスをつけて下から登っていく。滑って落ちてもブレーキがかかって止まる。パートナーがいる場合は、通常、下で見守るパートナーがロープを確保し、登攀者が滑った場合には、下の人が腰を落として自分の体重で登っている人の落下を止める

この方は難度の高いオーバーハングした岩を攻めている。オーバーハングどころか、私にはもう一枚上の写真の壁も無理。「取り付く島もない」とはよく言うが、実は語源は登山ではないかという説も。海が荒れて船を寄せ付ける島もないというのが一般的だが、岩壁に手足をかける「縞」がないという登山からきていて、「取り付く縞もない」が語源という説もある。それはさておき、岩稜と岩壁の違いは、まさに取り付く縞があるかどうか、というところだろうか


上の写真の男性の右側には、とっかかりのない岩肌があるが(もう一枚上の写真で別の男性が取り付いているルート)、ここを70歳前後の男女のシニアのグループが練習で登っている。先日、下見に来た時に見かけたのだが、信じられない。危なっかしく見えるのだが、時間をかけつつもちゃんと最後まで登ってしまう。団塊の世代には敵わない

私はそのルートを下るのみ(岩の裏手に回り込んでここまで上がる)。さて、ここから15m強を懸垂下降。初心者の私にとっては十分怖い。ここをスイスイと下りられるようになったら、憧れの岩稜にチャレンジしたいと思っている


いつか、もっと美しい懸垂下降をアップします。乞うご期待!

野風に吹かれて

はじめまして、野風です。どうぞヨロシク! 還暦退職を機にブログを始めました。数年前から復帰した山の記録がメインです。これまでヤマレコにアップしてきましたが、山以外にも広げて発信していきたいと思っています

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