野風

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静寂の上高地、テント泊(2019/3/8-9)

松本から高山へ向かう国道158号線が新安房トンネルの手前で大きくカーブするところにある釜トンネル。釜トンネルとこれに続く上高地トンネルを抜けると、そこは上高地に続く別世界穂高神社の祭神「穂高見命」(ほたかみのみこと)が穂高岳に降臨し、この地で祀られていることから元来「神垣地」と漢字表記されてきた。神が降り立つ地という意味で「神降地」とか、昔ながらの地名で「神河内」とか表記されることもあった今では上高地と記されるようになり、シーズン中は海外からも含めて観光客と登山者で賑わう日本の代表的な山岳リゾート地。上高地は穂高連峰や槍ヶ岳など北アルプス南部の登山基地だが、あまりの人の多さと観光地化したことを嘆き、この登山口を敬遠する山屋も少なくない私が最初に上高地を訪れたのは高校2年。むかし山をやっていたオヤジに頼んで槍ヶ岳に連れてきてもらった時だった。名古屋から夜行列車で松本へ向かい、松本電鉄で新島々駅まで行き、タクシーで上高地へ入った。当時はマイカーも上高地へ入れたが、その翌年からマイカー規制が始まったと記憶する以来約45年、自然保護活動により上高地の姿は大きく変わることなく今日に至っている。50代後半に山を再開し、3年ほど前に約30年ぶりに上高地に入った私には、立て替わった土産物屋、旅館、山小屋などはあるものの、梓川を中心とする自然豊かな景色は昔と変わらず美しく見えたそんな上高地も、山が目的の私にとっては登山の出発点であり終着点の意味合いが大きく、あまり長居せず通過するばかりだった。一度じっくりと上高地に滞在し、ぶらぶらと散策してみたいと思うものの、シーズン中の人の多さにはうんざりというのが偽らざるところだ。ならば人がほとんどいない冬季閉鎖中に出掛けようと思い立ち今回の計画となった